1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Paradise Circus / Massive Attack (Heligoland 収録)

 英ブリストルを拠点に活動するユニット、Massive Attackマッシヴ・アタック)が、映画のサントラとベスト盤をはさんでオリジナルとしては『100th Window』(英1位・米69位)以来7年ぶりとなる5thアルバム『Heligoland』をリリース。全英6位・全米46位。アルバムのタイトル「ヘリゴランド」とはドイツにある列島の名前で、その島の歴史に惹かれ名前をつけたとのこと。また、"HELL EGO LAND"とのダブルミーニングもあるらしいです。

・Massive Attack - Paradise Circus (Official Video)


 『100th Window』が実質3DことRobert Del Najaによるソロに近い作品だったのに対し、今作ではもう1人のメンバーDaddy GことGrantley "Grant" Marshallも制作に復帰した他、多彩なゲストを招いてレコーディングされています。この"Paradise Circus"では元Mazzy Starマジー・スター)で現在Hope Sandoval And The Warm Inventionsでも活動するHope Sandovalホープ・サンドヴァル)がヴォーカルとして参加しています。

 どこか原始的な雰囲気のあるリズムとハンドクラップ音、シンプルで綺麗なメロディを奏でる上音にからむホープの囁くような歌声。そして徐々に重厚さを増していく後半のサウンドに「やっぱマッシヴ最高だなぁ」って思わされる曲。でも、良く考えると、ここ最近のマッシヴよりもダウナーでもなく、『100th Window』のような緻密な密室感も薄れ、もっと開かれた感じもしますね。この曲のミュージックビデオに『ミス・ジョーンズの背徳』(原題:「The Devil in Miss Jones」)という70年代のポルノ映画の一部が使われているのも注目。

 ホープ・サンドヴァル以外に、今作に参加しているを紹介。TV On The Radioトゥンデ・アデビンペBLURGorillazデーモン・アルバーンマルティナ・トプレイ-バードElbowガイ・ガーヴェイ、そしてもちろんVoice of Massive Attackと言っても過言ではないレゲエシンガーHORACE ANDYホレス・アンディ)がヴォーカルで参加。また、その他にも、"Saturday Come Slow"ではPortisheadのAdrian Utleyがギターで参加していたり、デーモンはVo.のほかにも"Splitting the Atom"や"Flat of the Blade"などでキーボードやベースを弾いているそうです。ちなみにホープ・サンドヴァルのみが実際の現場での共同作業ではなく、音源のやり取りでの参加となっているそう。

 印象的なアルバムジャケットのアートワークについては、ストリートペインティングに見えるからポスターを駅に貼らせてもらえなかったりと多少ゴタゴタありましたが、作者である3D曰く「このアートワークは、混乱をきたした人間のコラージュだ」と語っています。ちなみに私は1st『Blue Lines』が大好きだったりするんですが、同じく3D曰く「音楽的に『BLUE LINES』に通じるものはどこにもない。そもそも既にやったもの、しかも、最初にやったものを繰り返すなんて無理な話だ」とも語ってたりします。はい、ごもっとも・・・

 そんな進化しつづけるマッシヴですが、フジロック2010への出演が大決定!!前回フジに出演した際はグリーンのトリでしたが、今年はどこでやるんでしょうか。どちらにせよ、このサウンドを広い会場でどう再現するのか楽しみです。

・Massive Attack - 『Heligoland』 収録曲および、ヴォーカリスト
1. "Pray for Rain" (vocals by Tunde Adebimpe)
2. "Babel" (vocals by Martina Topley-Bird)
3. "Splitting the Atom" (vocals by Grant Marshall, Horace Andy and Robert Del Naja)
4. "Girl I Love You" (vocals by Horace Andy)
5. "Psyche" (vocals by Martina Topley-Bird)
6. "Flat of the Blade" (vocals by Guy Garvey)
7. "Paradise Circus" (vocals by Hope Sandoval)
8. "Rush Minute" (vocals by Robert Del Naja)
9. "Saturday Come Slow" (vocals by Damon Albarn)
10. "Atlas Air" (vocals by Robert Del Naja)

・Massive Attackの楽曲を試聴&ダウンロードする⇒Massive Attack


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2010年02月28日(日)
  1. K's今日の1曲
  2. Fuji Rock Festival '10
  3. フジロック2010、出演アーティスト第1弾発表!!

日本が世界に誇るロックフェスティバル、FUJI ROCK FESTIVALの2010年の出演アーティストの第1弾発表がありました(すっぱ抜き?)。

まずはいきなり、そのアーティストを以下に。

●FUJI ROCK FESTIVAL '10 出演アーティスト 第1弾
Massive Attack / Muse / Them Crooked Vultures / 22-20s / Air
Belle and Sebastian / Boom Boom Satellites / Boys Noise
Broken Social Scene / The Cribs / Flogging Molly / Hot Chip
Ian Brown / John Butler Trio / Ken Yokoyama / Lcd Soundsystem
Magnetic Man / Ocean Colour Scene / Parachute / Riddim Saunter
toe / Vampire Weekend / Yeasayer / Z-trip

こんな感じ。

いやぁフジロック。
1年において最大のイベントがフジロックである私のような人間にとっては毎年この出演アーティスト発表が楽しみでしかたないんですが、今年もその季節が来ました。

まずはミューズ。今年始めの武道館公演を即完売させた彼ら。
フジロックがモデルにしたといわれる英グラストンベリー・フェスティバルの40周年を祝う今年のトリも務めるし、これはフジロックでも絶対文句なしのGREEN STAGEのトリでしょう。

7年ぶりの新作『HELIGOLAND』を発表したばかりのマッシヴ・アタックは、前回出演時はグリーンのトリでしたが、今回はどうなんでしょう。
個人的にはWHITE STAGEのトリとかでもいいかなぁって思ったり。

今回のメンツで何気に一番楽しみなのはThem Crooked Vultures
これは裏が誰やっていようと絶対観る!

邦楽勢はなんと言ってもtoeが観たい。
前回出たときは仕事の都合で彼らを観る前に帰っちゃったので、絶対リヴェンジ。
他にも横山健とかブンブンとかリディムとかフジらしい感じ。

ヴァンパイア・ウィークエンドとかイェイセイヤーとか今話題のバンドや、イアン・ブラウンオーシャン・カラー・シーンのようなUKのベテラン、ベルセバとかBSS、AIRとかツボを突きまくり。

と、一つ一つ触れてたらきりがないのでこの辺で。
第2弾、第3弾と楽しみ。
早割チケットもゲットしたし、今年も夏が楽しみだ!

ついでにサマソニがどうでるかも楽しみです。


●過去のフジロック日記
Fuji Rock Festival '04
Fuji Rock Festival '05
Fuji Rock Festival '06
Fuji Rock Festival '07
Fuji Rock Festival '08
Fuji Rock Festival '09
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2010年02月28日(日)
  1. K's今日の1曲
  2. ユニコーン
  3. ユニコーン DVDボックスのタイトル『勤労ロードショー 〜MADE IN JAPAN〜』に決定&詳細

 2010年4月7日に完全生産限定でリリースされるUNICORNユニコーン)のDVDボックスのタイトルが『勤労ロードショー 〜MADE IN JAPAN〜』に決定しました。

 ドキュメンタリーDVD3枚+ライブDVD1枚の4枚組となることは以前から発表されていましたが、詳細も決定。まず、ドキュメンタリー3枚は、2009年1月の再始動から2月27日のよこすか芸術劇場でのプレミアムシークレットライブまでをDISC 1として「睦月〜如月編」。

 そして全31公演の『ユニコーンツアー2009 蘇える勤労』初日の山形公演の前日から、5月のファイナル沖縄公演までをDISC 2として「弥生〜皐月編」。

 最後は、10月に開催された『川西幸一 50歳記念 チョットオンチー栄光の50年』の打ち合わせから年末に出演した『COUNTDOWN JAPAN 09/10』、『RADIO CRAZY』までをDISC 3として「水無月〜師走編」という内容。

 ちなみにライブDVDは、『ユニコーンツアー2009 蘇える勤労の日々』の5月3日のさいたまスーパーアリーナ公演となることが以前発表されていましたが、その中の"人生は上々だ"のみ未収録となるそうです。同ライブの"人生は上々だ"の映像は、昨年12月にリリースされたライブアルバム『勤労ロードショー 〜LIVE IN JAPAN〜』初回生産盤についているDVD『MOVIE 14 勤労ロードショー“人生劇場”』のほうに収録されています。

 また、パッケージは実際に『蘇える勤労ツアー』のオープニングで使用された緞帳幕を数万枚にカットしたものを、1つ1つに飾り付けたスペシャルな仕様になっているようです。

 "人生は上々だ"のカットは痛いですが、それでも楽しみなことには変わりないので、発売日が待ち遠しい。ちなみに私は既にAmazonで予約済み。なぜか今回もアマゾンは定価より安い。うーん、何ででしょう…



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スターな男 / UNICORN (ケダモノの嵐 収録)
働く男 / UNICORN (ケダモノの嵐 収録)
雪が降る町 / UNICORN (The Very Best Of Unicorn 収録)
デーゲーム / 坂上二郎とユニコーン (THE VERY RUST OF UNICORN 収録)
忍者ロック / ユニコーン (THE VERY RUST OF UNICORN 収録)
ユニコーン@横浜アリーナ ツアー 2009 蘇る勤労 4月1日 感想
ユニコーン@日本武道館 ツアー 2009 蘇る勤労 5月20日 感想
ユニコーン@横浜アリーナ 7月20日 ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2009 感想
ユニコーン@国営ひたち海浜公園 8月2日 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009 感想
ユニコーン@千葉マリンスタジアム SUMMER SONIC 2009 東京 感想
ユニコーン 川西幸一 50歳記念 チョットオンチー栄光の50年 初日@日本武道館(UNICORN、PUFFY、BLACK BORDERS、髭(HiGE)) 感想
ユニコーン 川西幸一 50歳記念 チョットオンチー栄光の50年@日本武道館 2日目(UNICORN、PUFFY、BLACK BORDERS、くるり) 感想
与える男 / 吉井和哉 (UNICORN TRIBUTE 収録)
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2010年02月27日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. 邦楽 (2000年代)
  3. サイケな恋人 / モーモールルギャバン (野口、久津川で爆死 収録)

サイケな恋人 また会いましょう さようなら 悲しくないけど また会いましょう さようなら♪

 「センチメンタルパンティポップ」を鳴らすJポップ・テロリストことモーモールルギャバンMOWMOW LULU GYABAN)のまさにパンティポップな曲、"サイケな恋人"(何が「まさにパンティポップなのかは後述)。2009年11月11日に全国発売された1stフルアルバム『野口、久津川で爆死』および、ライブ会場またはdisk union等で取り扱いの自主制作ミニアルバム『サイケな恋人』収録。

・サイケな恋人/モーモールルギャバン


 シンプルで超タイトなドラム、そしてうねるベースのリズムの上を、キーボードのかわいらしいメロディに乗って女性ボーカルで囁くように歌われる正統的ポップス、と思いきや・・・という曲。冒頭でダメ男に恋してしまった女性の心情が歌われていて、序盤で「梅干し陰干し」とか変な歌詞だなぁと思いつつ聴き進めて行くと、間奏明けの歌詞で雰囲気が一変、
夕暮れ川沿い 流れるゴミ あなたのよう パンチラ大好き あなたはゴミ 消えればいい

 ここからどんどん曲が壊れていく様が痛快!ドラムのゲイリーによるラップ(?)
見えないものを見ようとして 鏡を覗き込んだ 見えないものを見ようとして 直に覗き込んだ♪
こいつかそのダメ男は…

 そして、巻き起こる「パンティー」のコールアンドレスポンス。「パンティーって言え」って(笑)

 先日、スペシャのイベントで彼らのライブ見ましたが、もちろんその時もその日一番の盛り上がりを見せたのはこのコールアンドレスポンスのところでした。ライブでは後半の壊れ具合がハンパなく、ゲイリーがおかしいのはもちろん銅鑼を打ち鳴らすユコの切れ具合も最高で、「ヤバイもの観た感」バリバリ。で、思わずライブの帰りに物販でCD買ってしまったし。。。ちなみにアルバム版のこの曲でパンティコールをしているのは2009年に行われた難波CLUB QUATTRO公演のお客さんだそうです。

・モーモールルギャバン - サイケな恋人


 そんなモーモールルギャバンのメンバーは、1つ前の記事"POP! 烏龍ハイ"に書いたので、ここでは最後にそのバイオグラフィーをば。

・モーモールルギャバン biography
フリーターで風呂嫌いのドラマー、ゲイリー矢島が、半ば強引に友人を説得して2005年4月活動開始。矢島はドラムを叩きながら歌う。高校の同級生、足が臭いベーシストまる、矢島が絶対の信頼を置くキーボーディスト遅刻王オイエU子。紆余曲折を経てこの3人になったモーモールルギャバン。最近は西のクラムボンをちょっと目指しているらしい。Jポップテロリストとして今日も、活発な工作活動に励むのです。

・モーモールルギャバン - Interview



モーモールルギャバン -『野口、久津川で爆死』収録曲リスト
1. 琵琶湖とメガネと君
2. POP! 烏龍ハイ
3. 細胞9
4. コンタクト
5. 君のスカートをめくりたい
6. ユキちゃん
7. 野口、久津川で爆死
8. Ca☆Na
9. SOS
10. サイケな恋人
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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(2017.11.13最終更新)
カテゴリ : 邦楽 (2000年代) ・ comments(0) K 
2010年02月26日(金)
  1. K's今日の1曲
  2. 邦楽 (2000年代)
  3. POP!烏龍ハイ / モーモールルギャバン (野口、久津川で爆死 収録)

あなたの香りに青春の日々の面影 私を知らず知らず酔わせて朝まで♪

 京都出身の3ピース、モーモールルギャバンMOWMOW LULU GYABAN)の2009年11月11日リリースの1stフルアルバム『野口、久津川で爆死』収録曲。ちなみに初の全国発売の作品(他はライブ会場限定または、販売終了)。

・モーモールルギャバン - POP!烏龍ハイ


 まずはメンバー紹介。
・モーモールルギャバン Member
Drum&Vocal : ゲイリー・ビッチェ
 12月9日生まれ群馬県出身 射手座 A型 
Bass : T-マルガリータ
 9月25日生まれ群馬県出身 天秤座 O型
Keyboard : ユコ・カティ
 2月24日生まれ奈良県出身 魚座 B型

 この"POP!烏龍ハイ"、ゲイリーの歌う性急な前半から、急にメロディアスになる中盤、そしてポック・ユコのコーラスが入ってくるサビ、めまぐるしく変わる曲調がすごく良い。3ピースによるバンドアンサンブルもかっこよくて、なんかどっかで「西のクラムボンを目指してる」とか目にしたけど、それこそクラムボンのミトを彷彿とさせるようなマルガリータのベースが特にカッコイイです。

 そして曲タイトルですが、先日観たスペースシャワー列伝の時に、ゲイリーが「ジャンルはJ-POPです。そして、そんなJ-POPの大先輩SUPER BUTTER DOGスーパー・バター・ドッグ)にインスパイアされた」とこの曲が始まる前に言ってたので、きっとバタ犬の"FUNKYウーロン茶"(アルバム『FUNKASY』収録)のことを言ってるのでしょう。まさに"FUNKYさ"よりは"POPさ"を前面に出てて、"ウーロン茶"より若干甘めで、しかも酔っ払っちゃったような曲ですね。

・SUPER BUTTER DOG - FUNKY ウーロン茶


 アルバム全体的にも、タイトルトラック"野口、久津川で爆死"を始めとするまさに変態なのに超ポップで中毒性のある曲が満載。ASIAN KUNG-FU GENERATION諸作品のアートワークで知られる中村佑介によるアルバムジャケットに騙されて(?)CD買って聴いちゃったら最後、気づくとはまってる可能性あり。要注意!


モーモールルギャバン -『野口、久津川で爆死』収録曲リスト
1. 琵琶湖とメガネと君
2. POP! 烏龍ハイ
3. 細胞9
4. コンタクト
5. 君のスカートをめくりたい
6. ユキちゃん
7. 野口、久津川で爆死
8. Ca☆Na
9. SOS
10. サイケな恋人
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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(2017.11.13最終更新)
カテゴリ : 邦楽 (2000年代) ・ comments(0) K 
2010年02月25日(木)
  1. K's今日の1曲
  2. LIVE (2010)
  3. スペースシャワー列伝 〜第八十巻 夢喰(バク)の宴〜@新宿LOFT (SxOxU、plenty、小林太郎、your gold, my pink、モーモールルギャバン、チャラン・ポ・ランタン) 感想&セットリスト

新宿LOFTにてSPACE SHOWER TVのイベント、『スペースシャワー列伝 〜第八十巻 夢喰(バク)の宴〜』を観てきました。

スペシャの列伝に行くのは5,6年ぶりかな。
もう80回目になるんですね。。

今回の出演者は、SxOxU / plenty / 小林太郎 / your gold, my pink / モーモールルギャバン / チャラン・ポ・ランタンの6組。

2ステージ制になっており、普段ライブを行うステージとは別にバースペースのとこにもステージが。
そこを行き来する形。

まずはメインステージにて、your gold, my pinkからスタート。
男4人組。全員チェックのシャツを着てた。
昨年のCountdown Japanで初めて名前を聴いたんだけど、ライブを観るのは今回がお初。
メンバーが登場し、1曲目のパーカッシブな演奏がちょっとthe raptureのようなニューウェーブな感じがしてかっこいい。
2曲目から歌も加わって、ハイトーンのツインヴォーカルスタイルが結構いい感じでした。


お次はバー・ステージに移動。
エントランスの前を通って移動しなきゃいけないので、ちょっと混雑がありました。。。

バーステージのトップバッターは、チャラン・ポ・ランタン
ヴォーカル担当と、アコーディオン&MC担当の女の子2人組。
まだ2人で組んで半年らしい。
で、ヴォーカル担当のももちゃんがすごくカワイイ。
なんとまだ16歳だって!
もう一人のアコーディオン担当の小春は…愛嬌のある顔をされています。。。
てかしゃべりが超饒舌でおもしろい!芸人さんみたい!
そんな2人が作る音は、哀愁のあるアコーディオンの音色に、ももちゃんのこぶしの効いたパンチのある歌(超歌うまい)が乗ってかなり不思議な世界観を醸し出してた。
小春作詞・作曲の親知らずの歌とか面白かった。


次はメインステージで、小林太郎
ストリートミュージシャンや学生バンドとかを取り上げてるTVから出てきた人だよね?
またまた若く、19歳だそうです。
バンドを従え、両手でピースをしながら登場。
フライングVを抱え、爆音を鳴らす。
ベースが若干ミクスチャー系の弾き方でしたね。
曲のほうは個人的には、可もなく不可もなくだったのが残念でしたが、彼の声はイイ。
若いのにしっかりしたロックヴォイスを持ってますね。
最後から2番目の曲がビートが効いててカッコよかったんですが、その曲がTVで話題になった"安田さん"だったみたいです。
MCは普通の兄ちゃんみたいで良かった。


ここでバーステージに移動。
するともうぎっしり人が入ってて、ステージがほとんど見えず。
次のモーモールルギャバン待ちの期待感がひしひしと。
私も事前にYouTubeとかで動画を観てかなり気になってました。
バンド名からして意味不明ですが、音のほうもぶっ飛んでてた。
ドラムとベースの織りなすグルーヴの上をキーボードの渦巻くようなメロディがかなりの中毒性のある音を奏でてた。
ドラム&ヴォーカルのゲイリー・ビッチェは間違いなく変態だろうけど、その他の2人もたぶん変態でしょう(笑)
バンドの歴史は良く知りませんが、どうやらゲイリーは元ギター・ヴォーカルで、MCによると、ドラムは元々別の人がいて、その人こそが"野口、久津川で爆死"の「野口」みたいです。
しかも、爆死したはずの野口は実は生きていて、最近結婚したとかなんとか…
キーボードのポック・ユコによると、野口は一生モーモールルギャバンのライブは見に来ないと言ってるらしい。

ライブのハイライトはラストの"サイケな恋人"。
ポック・ユコの歌う前半部分だけ聴いてると正当なポップス(?)な趣ですが、後半に行くにつれ、歌詞も演奏も、そして歌もどんどん壊れていくところがヤバイ。
てか、会場から「パンティー」って合唱が起こることなんて世界中探したってないって…
で、曲の途中でゲイリーがバスドラの上で服を脱ぎだし、
「カメラの向こうのあなたと、後ろの方で見ているあなた達と、後3センチ近づくために必要なのは」
と言って、パンツも脱いで客席に投げた!もちろん、下にもう1枚パンツ穿いてたけど…
(しかも、投げたパンツが速攻で客席席から投げ返されてたのはウケた)

いやぁ面白かった。
ちなみに2曲目の"POP!烏龍ハイ"が始まる前にゲイリーが、
「ジャンルはJ-POPです。でかい音を鳴らすだけがロックなら、僕らはJ-POPでいい」
的なことを言って、
「次の曲は、J-POPの大先輩SUPER BUTTER DOGにインスパイアされて作った曲です」
って言ったのを聞いて、このバンドは間違いない(何が?)って確信しました。


衝撃のモーモーが終わり、次はメインステージでplenty
一応今日のお目当て。
茨城出身のスリーピース。
登場し、1曲目"後悔"が始まると空気が一変。
しかし、ここまでは予想の範囲内だったけど、続く4月に発売される2nd『理想的なボクの世界』からの曲であろう新曲2連発の力強いサウンドに、1stを聴いて予習してきた時点のバンドでは既になく、もう次のステージに向かっているような印象を受けました。
ライブで聴く1stの曲も圧倒的で、ラストの"拝啓、皆さま"のエンディング部分は特に圧巻でした。
バンプとかsyrup16gとか引き合いに出されてるけど、今日のライブを観て、個人的にはここ最近の円熟味を増した演奏を聴かせるgrapevineに近い雰囲気を感じるライブでした。
このバンド、今のうちからライブをなるべく見とかなきゃいけない。
一気に大物に化けそうな予感。


イベントのトリはそのままメインステージでのSxOxU
GOING UNDER GROUND松本素生による、BEAT CRUSADERSヒダカトオルプロデュースのソロプロジェクト。
バックは、ギターに元Number Girl、現bloodthirsty butchers田渕ひさ子、ドラムにつしまみれみずえ、ベースがSuperflyなどで活動する岩崎なおみという布陣。
今日の出演者で唯一のおっさん!
まぁ松本氏は確か私と同じ歳ですが…

曲は事前に1曲だけしか聴いてなくて、予備知識としては90sオルタナなサウンドって聞いてたんですが、始まった1曲目は、いきなりロケンローなリフが飛び出してビックリ。
しかも良く聴くと、ルースターズの"Do The Boogie"じゃないですか!
松本のお世辞にもソリッドとは言えないルックスからは想像できないソリッドなサウンド。
てか、田淵ひさ子のギターがカッコよすぎるんですけど…
ブッチャーズもいいけど、もう一度ナンバガとかでこんな彼女のギターが聴きたい、と思った。
その後もハードな楽曲を連発し、レパートリーを出し切って終了。

もちろんアンコールを求める拍手が。
松本が1人出てきて、ソロの楽曲を1曲エレキで弾き語って終了。
こちらはメロディーが綺麗な楽曲でいかにも彼らしい曲でした。


そんな感じのイベント。
これで2,500円は安い!

というわけで、浮いたお金で物販でCDを購入。
何を買ったかというと、モーモールルギャバンのアルバム『野口、久津川で爆死』…
しかも、物販に居たゲイリーとベースのT-マルガリータにアルバムの歌詞カードにサインしてもらいました♪

このサイン入りCDは後々高値になる・・・といいな。

以下、セットリスト

2010.02.20 スペースシャワー列伝 〜第八十巻 夢喰(バク)の宴〜@新宿LOFT Setlist

・your gold, my pink Setlist
1.rhythm session 〜Foolish Feeling〜
2.Are you sensitive?
3.My satan is blue
4.Nightride
5.twilight, twilight

・チャラン・ポ・ランタン Setlist
1.夜空の小鳥
2.カチューシャ
3.名もなきマチネ
4.親知らずのタンゴ
5.曇りの回転木馬

・小林太郎 Setlist
1. ドラグスタ
2. ソフィー
3. SAKURA CITY
4. 安田さん
5. 美紗子ちゃん

・モーモールルギャバン Setlist
1. 細胞9
2. POP!烏龍ハイ
3. ユキちゃん
4. 野口、久津川で爆死
5. サイケな恋人

・plenty Setlist
1. 後悔
2. からっぽ(新曲)
3. 枠(新曲)
4. 僕のために歌う吟
5. 拝啓、皆さま

・SxOxU Setlist
1.DO THE BOOGIE(THE ROOSTERSカバー)
2.Don't want to be alone
3.Funny Sunny Day
4.Remember
5.Summer's gone
6.VOID
---encore---
1.2030(松本素生ソロ)

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カテゴリ : LIVE (2010) ・ comments(0) K 
2010年02月21日(日)
  1. K's今日の1曲
  2. 邦楽 (2000年代)
  3. ボクのために歌う吟 / plenty (拝啓。皆さま 収録)

 2009年10月にリリースされた、新人バンドplentyプレンティと読みます)のデビューアルバム『拝啓。皆さま』に収録された楽曲"ボクのために歌う吟"。

・plenty 「ボクのために歌う吟」


 まずはバンド紹介。茨城県出身のスリーピース。メンバーは、以下の3人。
・Vocal/Guitar 江沼郁弥
・Bass 新田紀彰
・Drums 吉岡紘希

 ROCKIN'ON JAPAN誌(特に編集長の山崎洋一郎氏)界隈で大絶賛されていてすごく気になってたんですが、聴いてみるとsyrup16g五十嵐隆ばりの殺傷力をもった詩世界にノックアウト。この"ボクのために歌う吟"の「もうねぇよここはなにもねぇよ くだらねぇよ全部くだらねぇよ 終わらねぇよなにも終わらねぇよ 壊してよ」とかグサっときますね。「キミは暗い子なの? 何を求めてるの?」の「キミ」とはアルバムジャケットの絵のひざを抱え座る少年のことでしょうか。

 このバンドの魅力はやはり作詞・作曲を手掛けるヴォーカルの江沼の声と詩だと思いますが、それだけでなく、3人のバンドアンサンブルがなかなか聴き物です。"ゆれて…"やアルバムのタイトル曲"拝啓。皆さま"の演奏とかすごくかっこいいです。彼らの公式ブログでは、death cab for cutieとかMEWとかの名前が出てきたりしてて、その辺の世界観にも似てますね。ちょうど明日スペースシャワーTVのイベントで彼らのライブを始めて見る予定なのでライブでの演奏がどんなものになるか楽しみです。

 そんなplentyは早くも2ndアルバム『理想的なボクの世界』の発売と、それに伴う全国ツアー「理想的なキミの世界」の日程が発表されています。「ボク」と「キミ」が出会うこのツアーは必見ですね。


plenty -『拝啓。皆さま』収録曲リスト
2009年10月21日発売
1. 理由
2. ボクのために歌う吟
3. 東京
4. ゆれて・・・
5. よわむし
6. 後悔
7. 拝啓。皆さま
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする


・Plenty - 2nd Album『理想的なボクの世界』収録曲
2010年4月21日発売予定
1. 明日から王様
2. 少年
3. からっぽ
4. はずれた天気予報
5. 枠
6. その叙情に
7. 匿名
8. 大人がいないのは明日まで

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カテゴリ : 邦楽 (2000年代) ・ comments(0) K 
2010年02月19日(金)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Don't Stop The Music / Jamie Cullum (The Pursuit 収録)

 UK JAZZ界の貴公子ことJamie Cullumジェイミー・カラム)が、前作『Catching Tales』から、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされたクリント・イーストウッドの映画『グラン・トリノ』の主題歌を挟んで、4年ぶりにオリジナルアルバム『The Pursuit』を発表。全英16位。アルバムタイトルは1940年代〜70年代に活躍したイギリス人女流作家Nancy Mitford(ナンシー・ミットフォード)の名作小説『THE PURSUIT OF LOVE』より取られています。

・Jamie Cullum - Don't Stop the Music


 そんな久しぶりの新作を何気なく聞いてたら、どっかで聞いたことあるメロディと歌詞が…。よくよく聴いてみると、Rihannaリアーナ)の大ヒット曲"Don't Stop The Music"じゃないですか!原曲は一時期毎日聴いてたくらいハマった曲だったので、それをジェイミーが歌ってるってだけで興奮。すっかりジェイミー節の曲になっててビックリしつつも、もちろん曲そのものの良さも折り紙付きなので、そのかっこよさに即やられてしまいました。それにしてもジェイミーのカヴァー曲のセンスの良さは文句のつけようがないですね。

Rihanna - Don't Stop The Music


 コール・ポーター作のスタンダードをカウント・ベイシー・オーケストラとライブ録音した、それこそジャジーな1曲目"Just One of Those Things"から、疾走感のある"Wheels"、極上のバラードを聞かせる"Love Ain't Gonna Let You Down"、ロッキンな"Music Is Through"等など、相変わらずジャズという枠に収まりきらないサウンドを聞かせています。

 ちなみにアルバムタイトル『ザ・パースート』について、
これは「追及(Pursuit)の旅」、30才になって色んな変化があった。人生は旅そのもので、目的やゴールは問題じゃない。僕自身このアルバムで何かに手を伸ばそうとしてると思い『ザ・パースート』に決めたんだ
と、語っています。その話を聞くとなんか、グランドピアノが爆発しているジャケットが象徴的ですね。この"Don't Stop The Music"のミュージックビデオでもそんなシーンが出てきます。

 そして、なんと行ってもジェイミー・カラムといえば、ライブがすごい!初めてフジロックでライブ観たときは衝撃だった。朝一の出番だったのでマッタリ座って見ようかと思ってたら、座って見てなんかいられないくらいエキサイティングなライブでした。そんなジェイミーの来日が決定。日程は以下。ぜひ観にいきたい!

・Jamie Cullum Japan Tour 2010
大阪 4月5日(月)大阪NAMBA HATCH
東京 4月7日(水)JCB HALL (SEAT DAY)
東京 4月8日(木)ZEPP TOKYO (STANDING DAY)


Jamie Cullum -『The Pursuit』収録曲リスト
1. "Just One Of Those Things"
2. "I'm All Over It"
3. "Wheels"
4. "If I Ruled The World"
5. "You And Me Are Gone"
6. "Don't Stop The Music"
7. "Love Ain't Gonna Let You Down"
8. "Mixtape"
9. "I Think, I Love"
10. "We Run Things"
11. "Not While I'm Around"
12. "Music Is Through"
13. "I Love This"
14. "Gran Torino"
・Apple Musicで試聴&ダウンロード
Listen on Apple Music


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2010年02月16日(火)
  1. K's今日の1曲
  2. Progressive Rock
  3. Atom Heart Mother / Pink Floyd (Atom Heart Mother 収録)

 PINK FLOYDピンク・フロイド)、1970年発表の今作『ATOM HEART MOTHER』(邦題:『原子心母』)はアビー・ロード・スタジオで録音され、ピンク・フロイドが初の全英No.1(全米では55位)を獲得したアルバム。そんなアルバムの1曲目を飾るタイトルトラック"ATOM HEART MOTHER"は、6つのパートに別れた23分を越える大作で、LPではA面を丸々使ったことでも有名です。作曲にはメンバーの他、現代音楽の作曲家ロン・ギーシンが参加しています。

・Pink Floyd - Atom Heart Mother Suite (Full Song)


・Atom Heart Mother (原子心母)
 1. Father's Shout(父の叫び)(0:00 - 2:54)
 2. Breast Milky(ミルクたっぷりの乳房)(2:55 - 5:26)
 3. Mother Fore(マザー・フォア)(5:27 - 10:13)
 4. Funky Dung(むかつくばかりのこやし)(10:12 - 15:29)
 5. Mind Your Throats, Please(喉に気をつけて)(15:30 - 19:13)
 6. Remergence(再現)(19:13 - 23:43)

 ストリングスやブラスセクションが参加したほとんどオーケストラともいえる曲。コーラスの入り方とかが後の『Dark Side Of The Moon』(邦題:『狂気』)を予感させます。そして何より、1分20秒を過ぎた辺りや15分手前に始まる壮大なテーマメロディのかっこよさに痺れます。特に終盤の全てが渾然一体となる様はたまらないですね。そんな中でもデイヴ・ギルモアのブルージーなギターは際立ってるのがすごいです。ちなみにタイトルは、心臓(Heart)に原子(Atom)電池で動くペースメーカーを埋め込んで、生きながらえている妊婦(Mother)のことを書いた新聞記事の見出しから取られたものだそうです。

 そんなA面の大作から一転、B面ではやや短めの曲が並びます。アルバム中最もポップでキャッチーなリック・ライト作の"Summer '68"、ライブでの定番となったギルモア作の"Fat Old Sun"、アルバムラストの実験作ともいえる曲"Alan's Psychedelic Breakfast"等々。

 そしてそのB面の中でも最も重要とされるナンバー、リーダー、ロジャー・ウォーターズによる"If"。アコースティックな旋律で静かにひたすら「もしも、○○だったら…」と歌われるこの曲は、社会になじめない自分、他者を相容れない自己が表現されていて、後の『狂気』へと繋がるコンセプトを感じさせます。それは、バンド初期のリーダーであながらもLSDで精神を病んで脱退した後も常にロジャーの精神的支柱であり続けたSyd Barrettシド・バレット)を表しているようであり、そしてロジャー自身の人格(つまり、それがピンク・フロイドと言っても過言ではない)を表しているようです。

 このアルバムで有名なのは、Hipgnosisヒプノシス)の手掛けた「牛」のジャケット。当時、サイケデリックなスペースロックを演奏するバンドという先入観を無くしたいというコンセプトがあったらしい。ヒプノシスのストーム・ソーガソンアンディ・ウォーホルの"cow-wallpaper"からインスパイアされたもので、Potters Bar近郊の田舎町をドライブして最初に見つけた牛を撮影したそうです。トリビアとして、この牛の名前はLulubelle IIIって言うらしいですよ。

 他にも、あのスタンリー・キューブリックが、自身の名作『時計仕掛けのオレンジ』にこのアルバムの楽曲を使いたいと依頼したところ、ロジャーに断られたという話も残っています。ちなみに劇中にこのアルバムのジャケットだけ登場しています。

・PINK FLOYD - 『ATOM HEART MOTHER』収録曲
1. Atom Heart Mother (作曲:David Gilmour, Roger Waters, Rick Wright, Nick Mason & Ron Geesin)
2. If(もしも) (作詞・作曲:Roger Waters)
3. Summer '68 (作詞・作曲:Rick Wright)
4. Fat Old Sun(デブでよろよろの太陽) (作詞・作曲:David Gilmour)
5. Alan's Psychedelic Breakfast (作曲:David Gilmour, Roger Waters, Rick Wright & Nick Mason)
 1. Rise and Shine
 2. Sunny Side Up
 3. Morning Glory

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Another Brick In The Wall Part 2 / PINK FLOYD (Echoes;The Best Of Pink Floyd 収録)


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2010年02月15日(月)
  1. K's今日の1曲
  2. US Indie
  3. 11th Dimension / Julian Casablancas (Phrazes for the Young 収録)

 2000年代最初の10年の締めくくりに発表されたThe Strokesザ・ストロークス)のフロントマンでソングライティングの中核を担う男、Julian Casablancasジュリアン・カサブランカス)のソロアルバム『Phrazes for the Young』。ストロークスの各メンバーがソロ作を次々に発表する中、ついに満を持しての真打の登場です。プロデュースは、The Mars Voltaにもかつて在籍し、Maroon 5Rilo Kiley等を手掛けたJason Lader。チャートでは、全英19位、全米9位を獲得。

 そんなジュリアンの1stソロからのシングルとして発表されたのがこの"11th Dimension"です。シンセサイザーの音が前面に出た音作りなんだけど、最新の音っていうよりもレトロフューチャーリスティックな雰囲気をもった懐かしい感じのメロディとトーンを持った曲ですね。途中で入ってくるベースのフレーズなんかがNew Orderなんかを髣髴させるところが個人的にはツボです。こういったサウンドにもジュリアンの声がマッチしてるのが意外な発見。

 この曲のミュージックビデオがまた面白い。それこそ80sのハリウッドの映画みたいなダサかっこ良さが最高です。まじめな顔で演技するジュリアンがいちいち笑えます。このPVを観ててふと思ったのはなんかジュリアンって、お笑い芸人のチュートリアル徳井っぽくない?シュッとしたルックスのイケメンなのに、実は変態みたいな(笑)

 "11th Dimension"以外の楽曲もなかなか粒ぞろい。近年のストロークスにも繋がる"River of Brakelights"やスペースエイジゴスペルとでも形容できそうな"4 Chords of the Apocalypse"、カントリーの影響もうかがえる"Ludlow St."等が個人的なお気に入り。また"Glass"の浮遊感、そこから繋がるラストの"Tourist"のかっこよさとか、最初は「ん?」って思ったけど、聴いてるうちにどんどん嵌ってくようなアルバムになってます。

 ちなみにアルバムタイトル『Phrazes for the Young』はオスカー・ワイルドの『青年のための成句と哲学』(Phrases and Philosophies for the Use of the Young)から取られているそうです。後、ジャケットにジュリアンと一緒に写る犬は、ジュリアンの飼い犬でBalkiと名前だそうです。

 さて、ギターのアルバート・ハモンドJr.の2枚のソロ、ドラムのファブリツィオ・モレッティLittle Joy、ベースのニコライ・フレイチュアNickel Eyeに続き、ジュリアンもソロを出したってところで、そろそろストロークスの次が気になりますね。『First Impressions of Earth』が2006年だからもう4年も経つしね。『Is This It』で21世紀の音楽シーンに先鞭をつけた彼らは次の10年にどんな作品を出すのか楽しみでなりません。

・Julian Casablancasの楽曲を試聴&ダウンロードする⇒Julian Casablancas


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2010年02月14日(日)