1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Lonely Woman / Ornette Coleman (The Shape of Jazz to Come 収録)

 フリージャズの第一人者、Ornette Colemanオーネット・コールマン)が2015年6月11日、85歳で亡くなりました。哀悼の意を込めて彼の代表曲"Lonely Woman"をご紹介。1959年作『The Shape of Jazz to Come』(邦題:『ジャズ来るべきもの』)収録。

・Ornette Coleman - Lonely Woman


 オーネットのアルトサックスとドン・チェリーのコルネットが奏でる悲しげなメロディがタイトルの「孤独な女性」を想起させます。ゆったりしたメロディとベースラインの反面、ビリー・ヒギンスの性急なドラムに心が乱される感じがたまらない。タイトルの"Lonely Woman"は、オーネットが若いころデバートで働いていて、その時にたまたま画廊で見かけた悲しげな女性の絵を見て付けられたというのが定説のようですが、そうじゃない説もあったり。真相はどうであれいろいろ想像力を掻き立てる音楽とタイトルですね。

 先にオーネットのことをフリージャズと表現しましたが、この曲やアルバムの他の曲を聴くと、割と聴きやすいと言ったら変だけど、いわゆるモダンジャズと大きな違いを感じないかも。というわけで、ある意味オーネットを最初に聴く入り口としてはもってこいなんじゃないかな。物足りなかったらその名も『Free Jazz』(61年)などから入ってもいいかもね。後の「ハーモロディクス理論」という独自の理論を確立しファンキーになっていった『Dancing In Your Head』(76年)辺りもオススメです。また、本作に参加している、ドン・チェリーとチャーリー・ヘイデンそれぞれのリーダーアルバムもかなりオススメなのでチェックしてみてください。

 それにしても、数年前にTokyo Jazzで来日が決まっていたのに直前にキャンセルになってしまったのが苦い思い出。オーネット目当てにチケットとったのに・・・。あれが最初で最後のチャンスだったのね。。合掌。


Ornette Coleman -『The Shape of Jazz to Come』収録曲リスト

・Side 1
1."Lonely Woman"
2."Eventually"
3."Peace"
・Side 2
1."Focus on Sanity"
2."Congeniality"
3."Chronology"

・録音メンバー
Ornette Coleman – alto saxophone
Don Cherry – cornet
Charlie Haden – bass
Billy Higgins – drums
・Ornette Colemanの『ジャズ来るべきもの』を試聴&ダウンロード


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東京JAZZ 2012 ”the HALL” [JAZZ ROOTS]@東京国際フォーラム ホールA (Joe Sample、小曽根真、Ornette Coleman 他)


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2015年06月12日(金)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Happy Pills / Norah Jones (...Little Broken Hearts 収録)

 Norah Jonesノラ・ジョーンズ)が5枚目となるスタジオアルバム『...Little Broken Hearts』をリリース。本作は、すべてDanger Mouseデンジャー・マウス)ことBrian Burtonブライアン・バートン)との共作になっています。全米2位・全英4位。

 "Happy Pills"は『Little Broken Hearts』からの1stシングル。"ハッピー・ピルズ~幸せの特効薬"なんて邦題がついてます。シンプルなギターのフレーズで軽快なリズムを刻む曲。歌詞はノラ自身が経験した失恋がテーマになっています。

 アルバム全体を通してその失恋体験が大きな部分を占めており、共同製作者のブライアンともそのことについてかなり話し合って歌詞も練られているのだとか。そのためか、サウンド的にも結構ダークな雰囲気が漂ってます。むしろ明るいのはこの"Happy Pills"くらいなものかも。でもまた、このダークな感じがかなりカッコいいんだよな。

 元々、前作『The Fall』の制作時にブライアンとはコラボを開始していたものの、先に作り始めていた『The Fall』を完成させることを優先させ、その後、ノラのバンド、the Little Williesザ・リトル・ウィリーズ)の『For the Good Times』の発表、さらにブライアンとDANIELE LUPPIとの共作アルバム『ROME』への客演(あのジャック・ホワイトも参加!)を経て、ついにがっぷり四つに組んで今作を制作。

 その経験を踏まえての、ジャズ、ルーツ・ミュージック、そしてロックなどをすべて内包した音に仕上がってます。ジャンル分け不要のノラ・ジョーンズ・サウンドって感じ。ま、個人的にはかなり好きだけど、初期の頃のイメージを追っかけてる人にはひょっとしたらイマイチなのかもしれないってのはちょっとあるかも・・・

 印象的なアルバムジャケットは、1965年の映画『Mudhoney』のポスターからの引用。前作のかわいらしいノラから、カッコイイ女性!って感じになってて、アルバムの雰囲気にぴったりかも。

 今年2012年11月には待望の来日公演も決定。日程は以下。絶対行きたい!

■Norah Jones Japan Tour 2012
11/4(日)名古屋:愛知県体育館
11/5(月)大阪:グランキューブ大阪
11/6(火)金沢:本多の森ホール
11/8(木)東京:日本武道館
11/10(土)大阪:梅田芸術劇場メインホール
11/12(月)広島:広島市文化交流会館
11/14(水)札幌:ニトリ文化ホール

■Norah Jonse 『...Little Broken Hearts』収録曲
1. Good Morning
2. Say Goodbye
3. Little Broken Hearts
4. She's 22
5. Take It Back
6. After The Fall
7. 4 Broken Hearts
8. Travelin' On
9. Out On The Road
10. Happy Pills
11. Miriam
12. All A Dream

・Norah Jonesの『Little Broken Hearts』を試聴&ダウンロード⇒Little Broken Hearts - Norah Jones


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Chasing Pirates / NORAH JONES (THE FALL 収録)
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2012年05月16日(水)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Smells Like Teen Spirit / Eric Lewis (ROCKJAZZ Vol.1 収録)

 アメリカはニュージャージー州出身のピアニスト、Eric Lewisエリック・ルイス)の1stアルバム『ROCKJAZZ Vol.1』。このアルバムは名前の通り、ロックの名曲たちをピアノ一つの演奏でカヴァー。ジャズと銘打ってますが、もはやこれぞロックな演奏で超盛り上がれます。

 "Smells Like Teen Spirit"は言わずと知れたNIRVANAニルヴァーナ)の超有名曲ですね。原曲よりもさらに情熱的な曲に仕上がってる感じが。印象的なギターのリフをピアノでこんな表現ができるんだ!っていう驚きがあります。何気に激しい部分より演奏が抑え目になるところが好きだったりする。ニルヴァーナの特徴の1つ「静と動の対比」をうまくとらえてる気がします。

 アルバムの選曲は誰でも知ってる有名曲から、ブレイキング・ベンジャミンとかザ・ナイフ、キル・ハンナとか結構マニアックなバンドまでカバーしてるのが面白いですね。逆にこのアルバムを聞いて、原曲を聞いてみたくなる人も出てきそうですね。

 エリック・ルイスの経歴を簡単に。73年生まれ。スラム街で生まれ育ち、2歳からピアノを始める。14歳までクラシックピアノを学び、そこからジャズへ転向。1996年度、セロニアス・モンク・インターナショナル・ピアノコンペティションで優勝。 その後、ウィントン・マリサリス、エルヴィン・ジョーンズ等の一流ミュージシャンと、ツアーやレコーディングをし、それらの経験を生かし、独自の音楽性、演奏スタイルを追求し、ロックとジャズの融合、ギタリストのアプローチでピアノに取り組み、ロック・ポップスの名曲を斬新にピアノアレンジすることに。そして、自らのレーベルNinjazzからデビューアルバム、「ELEW Rockjazz Vol.1」をデジタル配信となったわけです。

 レオナルド・ディカプリオやトビー・マグワイヤ、トム・ハンクス、ミック・ジャガーやマドンナ等をファンに持つ彼には各方面から称賛の声が上がっていて、それをいくつか引用しておきます。
New York Times
「彼は聴衆を興奮させる。単調な音だろうが、いくつもの和音が重なる複雑な音だろうが、彼は情熱的に魂をこめて力強く音を奏でていく。 その音はみんなの 身体に刻まれていき、聴衆は両方に対しても拍手の嵐だったよ」

ウイントン・マルサリス
「彼の演奏は遊び心があるけれど、同時にスピリチュアルとも言えるほど真剣だ」

エルウィン・ジョーンズ
「エリックはモンスターだよ!彼の様な才能を持った人には今まで一度も会った事がないよ!」

ロビン・ギヴァン(ワシントンポスト紙)
「彼はピアノの前に座らない、まさに戦士の構えでその前に立つ。鍵盤は彼の餌食であり、彼がその餌食ひとつひとつを凶暴に襲う度、鍛えられた身体から吹き出す汗が最前列席へと飛び散るのだ。」

ベン・ラットリフ(ニューヨーク・タイムズ紙)
「ルイス氏のエネルギーに観客は反応する。彼はいくつもの複雑なコードを弾きながら鍵盤の上をとどろくように駆け回る。 そしてうっとりと、鍵盤をたたく。手のひらの外側か付け根か、もしくは前腕を使いながら」

ヴァニティー・フェアー誌
「パワフルで本能的な世界を創り出すジャズ・パフォーマンス。」

CNN
「彼の演奏はまさにドラマティックというほかない。」


 つい先日まで来日してたみたいですね。もっと早く彼のことを知ってたらライブ観にいけたのに・・・。アルバムタイトルも「Vol.1」となってるし「Vol.2」と再来日も期待ですね。

・Eric Lewis - 『ROCKJAZZ Vol.1』 収録曲
01. Mr. Brightside (The Killers)
02. The Diary of Jane (Breaking Benjamin)
03. Clocks (Coldplay)
04. Sweet Home Alabama (Lynyrd Skynyrd)
05. Smells Like Teen Spirit (Nirvana)
06. Heartbeats (The Knife)
07. Going Under (Evanescence)
08. Smokers Outside the Hospital Doors (Editors)
09. Easier To Run (Linkin Park)
10. Lights and Sounds (Yellowcard)
11. Knives Out (Radiohead)
12. Believe (Kill Hannah)
13. Paint It, Black (The Rolling Stones)

・Eric Lewisの『ROCKJAZZ Vol.1』を試聴&ダウンロードする⇒ROCKJAZZ VOL.1 - Eric Lewis

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2010年11月13日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. OPEN SESAME / FREDDIE HUBBARD (OPEN SESAME 収録)

 アメリカはインディアナ州インディアナポリス出身のジャズトランペット奏者FREDDIE HUBBARDフレディ・ハバード)が1960年にBLUE NOTEレーベルに残した初のリーダーアルバム『OPEN SESAME』のタイトルナンバー。日本語でいうと「開けゴマ!」ってところでしょうか。

 まずは録音メンバー紹介。
FREDDIE HUBBARD(フレディ・ハバード)- trumpet
TINA BROOKS(ティナ・ブルックス)- tenor sax
McCOY TYNER(マッコイ・タイナー)- piano
SAM JONES(サム・ジョーンズ)- bass
CLIFFORD JARVIS(クリフォード・ジャーヴィス)- drums

 この"OPEN SESAME"は、テナーのティナ・ブルックスによる作品。マッコイのピアノとクリフォードのドラムのための効いた出だしにハバートのトランペットのメロディが乗る瞬間がたまらなくカッコイイ。トランペットとテナーの絡みが秀逸。このメロディ感は、日本のPE'Zとか好きな人は確実に嵌ると個人的には思うんですがいかがでしょう。

 このアルバムでは同じくブルックス作の"Gypsy Blue"なども大変有名です。この曲の哀愁のある感じもヤバいです。

 ハバートはこのアルバムの後も、ブルーノートに名作を数多く残します。それもひとえに彼を見出だし、サポートしたブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンの支援によるところも大きいようで、ライオンは、「必ずフレディは次の時代のスターになると感じていた。しかし多くの有能な若者が麻薬で命を落としたり、活動ができなくなったことも目の当たりにしてきた。それで、彼にはそんなこおとで大切な人生を棒に振って欲しくないと思った。」と語っているそうです。

・FREDDIE HUBBARD 『OPEN SESAME』
Recording Date : Jun 19, 1960 Blue Note 4040
1. Open Sesame (Brooks) 7:10
2. But Beautiful (Burke, VanHeusen) 6:25
3. Gypsy Blue (Brooks) 6:23
4. All or Nothing at All (Altman, Lawrence) 5:33
5. One Mint Julep (Toombs) 5:53
6. Hub's Nub (Hubbard) 6:49

7. Open Sesame [Alternate Take]
8. Gypsy Blue [Alternate Take]

・FREDDIE HUBBARDの楽曲を試聴&ダウンロードする⇒Freddie Hubbard
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2010年03月17日(水)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Don't Stop The Music / Jamie Cullum (The Pursuit 収録)

 UK JAZZ界の貴公子ことJamie Cullumジェイミー・カラム)が、前作『Catching Tales』から、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされたクリント・イーストウッドの映画『グラン・トリノ』の主題歌を挟んで、4年ぶりにオリジナルアルバム『The Pursuit』を発表。全英16位。アルバムタイトルは1940年代〜70年代に活躍したイギリス人女流作家Nancy Mitford(ナンシー・ミットフォード)の名作小説『THE PURSUIT OF LOVE』より取られています。

 そんな久しぶりの新作を何気なく聞いてたら、どっかで聞いたことあるメロディと歌詞が…。よくよく聴いてみると、Rihannaリアーナ)の大ヒット曲"Don't Stop The Music"じゃないですか!原曲は一時期毎日聴いてたくらいハマった曲だったので、それをジェイミーが歌ってるってだけで興奮。すっかりジェイミー節の曲になっててビックリしつつも、もちろん曲そのものの良さも折り紙付きなので、そのかっこよさに即やられてしまいました。それにしてもジェイミーのカヴァー曲のセンスの良さは文句のつけようがないですね。

 コール・ポーター作のスタンダードをカウント・ベイシー・オーケストラとライブ録音した、それこそジャジーな1曲目"Just One of Those Things"から、疾走感のある"Wheels"、極上のバラードを聞かせる"Love Ain't Gonna Let You Down"、ロッキンな"Music Is Through"等など、相変わらずジャズという枠に収まりきらないサウンドを聞かせています。

 ちなみにアルバムタイトル『ザ・パースート』について、
これは「追及(Pursuit)の旅」、30才になって色んな変化があった。人生は旅そのもので、目的やゴールは問題じゃない。僕自身このアルバムで何かに手を伸ばそうとしてると思い『ザ・パースート』に決めたんだ
と、語っています。その話を聞くとなんか、グランドピアノが爆発しているジャケットが象徴的ですね。この"Don't Stop The Music"のミュージックビデオでもそんなシーンが出てきます。

 そして、なんと行ってもジェイミー・カラムといえば、ライブがすごい!初めてフジロックでライブ観たときは衝撃だった。朝一の出番だったのでマッタリ座って見ようかと思ってたら、座って見てなんかいられないくらいエキサイティングなライブでした。そんなジェイミーの来日が決定。日程は以下。ぜひ観にいきたい!

・Jamie Cullum Japan Tour 2010
大阪 4月5日(月)大阪NAMBA HATCH
東京 4月7日(水)JCB HALL (SEAT DAY)
東京 4月8日(木)ZEPP TOKYO (STANDING DAY)

・Jamie Cullumの楽曲を試聴&ダウンロードする⇒Jamie Cullum


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Don't Stop The Music / Rihanna (Good Girl Gone Bad 収録)
WISM? 2008@恵比寿ザ・ガーデンホール(JAMIE CULLUM、Soil & Pimp Sessions、MEDESKI MARTIN & WOOD、CYRO BAPTISTA and BANQUET OF THE SPIRITS)
GET YOUR WAY / JAMIE CULLUM (CATCHING TALES 収録)
CATCH THE SUN / JAMIE CULLUM (CATCHING TALES 収録)
LOVER, YOU SHOULD HAVE COME OVER / JAMIE CULLUM (TWENTYSOMETHING 収録)
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2010年02月16日(火)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Chasing Pirates / NORAH JONES (THE FALL 収録)

 2002年、『Come Away with Me』で衝撃的なデビューを飾った女性シンガー、NORAH JONESノラ・ジョーンズ)の通算4作目となるニューアルバム『THE FALL』がリリースされました。過去3作で3,600万枚ものCDを売り上げてきた彼女だけあって、今回も全米チャート初登場3位(UKでは24位、日本では6位)の大ヒット。

 これまでどおり大ヒットといいつつ、そのサウンドは全くこれまでどおりではなかったり。まずはアルバムからの1stシングルになったこの"Chasing Pirates"でビックリ。いきなり耳に飛び込んでくる浮遊感のあるエレピ(?)とドラムのビート。これまでのピアノを弾きながらブルースフィーリングあふれるジャズヴォーカルを、どちらかといえばしっとりと聞かせていた彼女とはかなり印象が違いますね。

 後は"Chasing Pirates"のミュージックビデオ。Pirates(海賊)に扮した(?)ノラが出てくるのですが、そのノラの短いスカート姿に一発でノックアウト。髪をショートにしたノラのキュートさにやられまくり。意外と知られていないかもしれませんが、ノラといえば、あのビートルズのジョージ・ハリスンにも多大な影響を与えたインド音楽の巨匠Ravi Shankarラヴィ・シャンカール)の娘なので、顔立ちがどこかエキゾチックな雰囲気があってそこがまたたまらないっすねぇ。

 ちなみにこのPVのときにノラの右腕に「Johnny Forever」と書いてあるそうです。なんでも当初、ノラがジョニー・デップのストーカーになって彼を追いかけまわす内容を考えていたとか。パイレーツ繋がりってことでしょうか。そんな豪華な共演見てみたかったなぁ。

 って、どんどん音の話から外れてきたので、アルバムの話に戻します。"チェイシング・パイレーツ"を聴いて、「おぉ今回はかなりポップになったなぁ」って思ったのもつかの間、聴き進めていくと、「ポップ」どころかアルバムは一言で言って「ロック」です。しかもかなり極上の。2曲目の"Even Though"もかなりギターの音が印象的です。

 これまでの3作をともに作ってきたリー・アレキサンダーと公私共に別れ、ノラが新たに創作のパートナーに選んだのはKings of LeonModest Mouseなどを手がけたJacquire Kingジャクワイア・キング)。彼の手がけたTom Waitsトム・ウェイツ)の『Mule Variations』が大好きだったので、その作品のような感性やグルーヴを目指しての起用だそうです。

 そしてバンドも一新。ドラムにJoey WaronkerとJames Gadson、キーボードにJames Poyser、そしてギタリストにMarc RibotとSmokey Hormel等などを迎えて制作。またゲストにRyan Adamsライアン・アダムス)やOkkervil Riverオッカヴィル・リヴァー)のWill Sheffウィル・シェフ)なども参加。もちろんあの大ヒット曲"Don't Know Why"の作者ジェシー・ハリスも作曲で参加してます。さらにノラ自身もかなりギターを弾いているそうです。

 個人的なオススメはライアン・アダムス作の"Light as a Feather"や、優しくハミングされる"Waiting"、それに続く60年代ロックのようなグルーヴがむちゃくちゃカッコイイ"It's Gonna Be"ですね。

 まぁ元々、ジャズの名門レーベル、ブルー・ノートからのデビューだったからジャズにカテゴライズされただけであって、ノラにとってこの変化はごく自然なものだったんでしょうね。てか、彼女くらいの才能があればどんなジャンルであっても一級品を作ってしまいそうですが。

・NORAH JONESの楽曲を試聴&ダウンロード⇒Norah Jones
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2009年11月29日(日)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. AQUARIAN MOON / BOBBY HUTCHERSON (HAPPENINGS 収録)

 ヴィブラフォン奏者Bobby Hutchersonボビー・ハッチャーソン)が1966年にBLUE NOTEよりリリースした新主流派JAZZの名盤と歌われる『HAPPENINGS』(黒人女性が写ったピンク色の派手なジャケットが有名な作品)の1曲目。タイトル"AQUARIAN MOON"は、ボビーの誕生日が1月27日で水瓶座であることから来ているらしい。

 イントロの1音からヴァイブの清らかな音色にやられちゃいますね。タイトルから連想されるような、なんか朝の湖畔のような静かななかで広がる水面なイメージ。この音の余韻は木琴や鉄琴とは違ってその名の通りヴィブラートを掛けられるヴィブラフォーンならではですね。

 そしてこの曲の聴き所は、前半のボビーから引き継いだ後の中盤のハービー・ハンコックのピアノ。むちゃくちゃカッコイいい。そこに絡む、リズム隊の緊張感のある演奏も利き所ですね。

 アルバムには1曲のみ、ボビー作曲ではないものが収録されています。それがハービー作による"MAIDEN VOYAGE"。いわずと知れた名曲"処女航海"ですね。ハービー自身のリーダー作も名盤と名高いですが、この作品に収められたヴァージョンも、それに勝るとも劣らないできであると評判の作品です。


●BOBBY HUTCHERSON - 『HAPPENINGS』
1. "Aquarian Moon"
2. "Bouquet"
3. "Rojo"
4. "Maiden Voyage" (Hancock)
5. "Head Start" - 5:15
6. "When You Are Near"
7. "The Omen"

・レコーディングメンバー
Bobby Hutchersonボビー・ハッチャーソン): vibraphone, marimba
Herbie Hancockハービー・ハンコック): piano
Joe Chambersジョー・チェンバース): drums
Bob Cranshawボブ・クランショウ): bass 

1966年2月8日録音
Produced by ALFRED LION
Recording engineer : RUDY VAN GELDER
Recorded at the Van Gelder Studio, New Jersey
Cover Photo & Design by REID MILES

・BOBBY HUTCHERSONの楽曲を試聴&ダウンロード⇒Bobby Hutcherson
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2009年11月28日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Waltz for Debby / Bill Evans Trio (Waltz for Debby 収録)

 偉大なジャズ・ピアニストBill Evansビル・エヴァンス)率いるBill Evance Trioの最高傑作と謳われる、1961年6月25日、ニュー・ヨークの名門ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」でのライブを収めた『Waltz for Debby』のタイトル曲。

BILL EVANS TRIO
BILL EVANSビル・エヴァンス) - ピアノ
SCOTT LaFAROスコット・ラファロ) - ベース
PAUL MOTIANポール・モチアン) - ドラム

 このタイトル曲"ワルツ・フォー・デビイ"は、ビルが1956年に当時まだ幼かったビルの姪に捧げるために作った曲。出だしの鍵盤の1音からその美しい旋律に耳と心を奪われる曲ですね。そこにポール・モチアンのドラムが途中から入り、一気にスイングしていくところも良いです。そして、ピアノと呼応するようなラファロのベースが堪らなくよいです。リズム楽器というよりももはやリード楽器のようです。

 この3人のインプロビゼーションは従来のピアノトリオの範疇を超えた革新的なものだったそうですが、私のようにそういった音楽的な知識のないものが聴いても、ただただ素晴らしい演奏だと感じることのできる入り口の広い作品だと思います。あのJAZZの帝王MILES DAVISマイルス・デイヴィス)にも多大な影響を与えた(マイルスの歴史的名盤『KIND OF BLUE』に参加してます)ビル・エヴァンスを聴くならまずこれでしょう。アルバム1曲目の"My Foolish Heart"等、他にも名曲・名演ばかりの作品です。

 ちなみにこのトリオで録音した『Portrait in Jazzポートレイト・イン・ジャズ)』・『Explorationsエクスプロレイションズ)』・『Waltz for Debbyワルツ・フォー・デビイ)』および同日収録の『Sunday at the Village Vanguardサンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード)』の4作は「リバーサイド四部作」高い評価を得ています。

 その中の『Sunday at the Village Vanguard』はこの『Waltz for Debby』同日同会場でのライブ録音で、ベースのスコット・ラファロをフィーチャーする形で『Waltz for Debby』より一足先にリリースされています。それは、このライブのわずか11日後、1961年7月6日にラファロが交通事故で亡くなってしまうため、その追悼盤として発表されたそうです。このトリオで更なる名盤を生み出して欲しかっただけに残念ですね。

・Bill Evansの楽曲を試聴&ダウンロード⇒Bill Evans


・Bill Evans Trio - 『Waltz for Debby』収録曲
1. マイ・フーリッシュ・ハート - My Foolish Heart(Ned Washington, Victor Young)
2. ワルツ・フォー・デビイ(テイク2) - Waltz For Debby (Take 2) (Bill Evans)
3. デトゥアー・アヘッド(テイク2) - Detour Ahead (Take 2) (Herb Ellis, John Frigo, Lou Carter)
4. マイ・ロマンス(テイク1) - My Romance (Take 1) (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
5. サム・アザー・タイム - Some Other Time(Leonard Bernstein, Adolph Green, Betty Comden)
6. マイルストーンズ - Milestones(Miles Davis)
7. ワルツ・フォー・デビイ(テイク1)
8. デトゥアー・アヘッド(テイク1)
9. マイ・ロマンス(テイク2)
10. ポーギー(アイ・ラヴズ・ユー、ポーギー) - Porgy (I Loves You, Porgy) (Ira Gershwin, Dubose Heyward, George Gershwin)

(7〜10はボーナストラック)
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2009年09月03日(木)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Truth Is Marching In / Albert Ayler (Albert Ayler In Greenwich Village 収録)

 1970年に34歳で謎の溺死を遂げた、フリージャズを代表するサックス奏者、Albert Aylerアルバート・アイラー)がImpulse!インパルス!)に一番最初に残したライブ録音盤『Albert Ayler In Greenwich Village』(『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』)のB面1曲目"Truth Is Marching In"。

 アルバートのテナー・サックスと、アルバートの弟であるドナルドのトランペットの2本の管楽器によって高らかに始まる序盤から、4分を越えたあたりから演奏に熱が帯び始め(特にリズム隊)、そして8分目にさしかかろうかというところで入ってくるヴァイオリンの音でさらに加速しはじめ、最終的には全ての感情が爆発したようなブロウの連発というすさまじい演奏になって行きます。フリーキーでアヴァンギャルドな演奏と陽気なメロディを奏でるテーマ部分との対比も面白いです。

 2本のベースとチェロをバックにアルバート・アイラーの深いアルト・サックスの音が印象的なA面1曲目の"For John Coltrane"(アイラーにインパルス移籍を進めたのはコルトレーン)にもあるように、ジョン・コルトレーンとの関係は深いようで、'67年にコルトレーンがなくなった際にはの葬式でこの"Truth Is Marching In"が演奏されたそうです。"真実が行進してくる"とでも訳せるこの曲のタイトルは、「私は聖者になりたい」と語ったコルトレーンに捧げる曲としてはぴったりな気がします。

 以下、アルバムの説明。今作はニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジにある2つのクラブ、「ヴィレッジ・シアター」と「ヴィレッジ・ヴァンガード」(←このときの会場にはジョン・コルトレーンも観に来ていたとか)でライブ録音されたものがそれぞれ2曲ずつ収録されています。演奏クレジットは以下。

Albert Ayler In Greenwich Village / Albert Ayler (Impulse! UCCU-9559)
01. For John Coltrane (Albert Ayler) - 13:38
02. Change Has Come (Albert Ayler) - 6:24
03. Truth Is Marching In (Albert Ayler) - 12:43
04. Our Prayer (Donald Ayler) - 4:43

01:
Albert Ayler(アルバート・アイラー) (as)
Joel Freedman(ジョエル・フリードマン) (cello)
Bill Folwell(ビル・フォルウェル) (b)
Alan Silva(アラン・シルヴァ) (b)

02:
Donald Ayler(ドナルド・アイラー) (tp)
Albert Ayler (ts)
Joel Freedman (cello)
Bill Folwell (b)
Alan Silva (b)
Beaver Harris(ビーヴァー・ハリス) (ds)

"Village Theatre", NYC, on Feb. 26, 1967 (01.02.)"


on 03.04:
Donald Ayler (tp)
Albert Ayler (ts)
Michel Sampson(ミッシェル・サンプソン) (violin)
Henry Grimes(ヘンリー・グライムス) (b)
Bill Folwell (b)
Beaver Harris (ds)

Village Vanguard", NYC, on Dec. 18, 1966 (03.04.)

 印象的になジャケットのアートワークを手がけたのは、Barbara FlynnとRobert Flynn。

 また、今作の完全盤である『Live in Greenwich Village: the Complete Impulse Recordings』もリリースされています。

・Albert Aylerの楽曲を試聴&ダウンロード⇒Albert Ayler
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2009年06月09日(火)
  1. K's今日の1曲
  2. JAZZ
  3. Brilliant Corners / THELONIOUS MONK (Brilliant Corners 収録)

 ジャズ・ピアニスト、THELONIOUNS MONKセロニアス・モンク)が1957年にRIVERSIDE(リヴァーサイド)より発表したモンク屈指の名盤と称されるアルバム『Brilliant Corners』のタイトル曲。

 まずはアルバム収録曲とメンバー。
●『Brilliant Corners』収録曲
・SIDE 1
1. Brilliant Corners (Thelonious Monk)
2. Ba-lue Bolivar Ba-lues-are (Thelonious Monk)
・SIDE 2
3. Pannonica (Thelonious Monk)
4. I Surrender, Dear (Gordon Clifford - Harry Barris)
5. Bemsha Swing (Thelonious Monk - Denzil Best)

●Personel
・1956年10月9日(2,3)&15日(1) New York 
Thelonious Monk(セロニアス・モンク), piano, celeste (on Pannonica)
Ernie Henry(アーニー・ヘンリー), alto sax
Sonny Rollins(ソニー・ロリンズ), tenor sax
Oscar Pettiford(オスカー・ペティフォード), bass
Max Roach(マックス・ローチ), drums

・1956年12月7日(4)
Thelonious Monk, piano

・1956年12月7日(5)
Thelonious Monk, piano
Clark Terry(クラーク・テリー), trumpet
Sonny Rollins, tenor sax
Paul Chambers(ポール・チェンバース), bass
Max Roach, drums, tympany 

 1曲目を飾るこのタイトル曲をはじめて聴いた感想は、モンクのピアノの旋律の不安定さというかなんというか、耳に残る引っかかりのようなものがあって、そこが気になるわ、ロリンズのテナーとアーニーのアルトの絡みはカッコいいわ、マックス・ローチのリズムは早くなったり元に戻ったりで、なんだかもう訳の分からん妖しさをビシバシ放つ曲だなぁと思った。

 Jazz史に残る名盤といわれながらもJazzファンでも賛否が分かれるようですが、私のようなジャズには疎く、ロックとかを好んで聞く人間には、アヴァンギャルドっていうかプログレっつうか、そういうのに通ずるカッコよさがあって、意外とすんなり聴けます。

 プロデューサーのオリン・キープニューズは、「その曲の難解さから、最後まで通して演奏することができず、テープ編集を行って完成させた」と語っているそうです。

 アルバムの他の曲では、モンクが右手でチェレスタ(鍵盤で鉄琴鳴らす楽器)、左手でピアノを同時に弾いている"Pannonica"なんかは、スムーズなメロディとそのチェレスタの愛らしい音色も相まってかなり心地よく聴けます。ちなみにPannonicaとはMonkの後援者だったパノニカ・ド・ケーニグスウォーター男爵夫人のことらしいです。

 また"Bemsha Swing"だけ録音メンバーが違うのは、ペティフォードとモンクが喧嘩したことが原因とのこと。喧嘩といえばマイルス・デイヴィスとの喧嘩もモンクは有名ですね。相手が誰であれ自分の信念を曲げないからなのか、それてもただの頑固オヤジなだけなのか・・・。あ、"Bemsha Swing"はマックス・ローチがティンパニーをたたきまくってて面白いです。

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2009年05月24日(日)

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